「赤木ファイル事件」真相解明逃れを許すな?請求の認諾が意味するもの
国は国民の血税を支払うことによって裁判を終結させた。
1 国家が酷いことやってる。恥の上塗り!税金の無駄遣い!
上記は朝日新聞の論座の記事のタイトルだが、この通りだ。勿論、被害の賠償そのものは認められるべきだが。
本件民事裁判で、1億700万円の損害賠償を求めた故赤木三の妻雅子さん側の請求を国側は「認諾する」と伝えた。認諾は、被告が原告の請求を認めるもので、裁判所の調書に記載されると、確定判決と同じ効力を持つ。
この記事には「そうであれば、我々国民は、国がそのように異例中の異例の手続きによって裁判を終結させた理由を知る権利がある。どのような証拠があり、どのような事実があると認めたために「請求の認諾」をすると国が決めたのかを知る権利がある。」としている。いやその程度の問題ではない。
2 何らかの手続を取るべき。
証人尋問などを通して真相を知ることができなくなった今、国から説明を受けるしか方法はない。赤木さんの妻も全く同様の思いだろう。」
とある。
しかし、まず、とんでもない被害事件とは言え、一般的に、このような高額の請求がそのまま認められることは無く、このような認諾は違法である。
このような高額の請求=支払いをなんらかの法的手続きが考えられないだろうか。
また、本件は国賠法による請求だが、国賠法には、不法行為を行った本人に対し直接賠償請求をすることはできないが、国が賠償した後には、当該公務員に求償(支払い)の請求ができる(国賠法2条。当該公務員の故意または重過失が要件だが、これは当然満たされるだろう)。しかし、この権限が行使されるとは到底思われない。
この権限行使を強く要求すべきだし、しなければ、それについても国賠請求すべきだろう。
3 地方自治法の例
なお、国家についてはこのよう手続はないが、地方自治体(首長)については、住民監査請求を経て、地方自治法242条に2第1項4号で、自治体に賠償金相当額に支払いを請求することを求める住民訴訟を提起できる。
以前には、国立市長の問題(東京地判平成22年12月22日、判時2104ーp19)。
大分の教員採用試験の不正につき、最判令和2年7月14日(最高裁のホームページ参照)