NHK報道に矛盾?でも、廃炉にすべき理由が明らかになったと思う。

1 番組によって、弁が開いたり開かなかったり。何で?
7月21日土曜日のNHKスペシャルでは、福島第1原発2号炉のSR弁という弁が開かなかったという欠陥が指摘されていました。このSR弁は、圧力容器(燃料棒の入ってるところ)から、蒸気を下部(サブレッションチェンバー、巨大なドーナツ状のもの、水が貯めてあって、蒸気を冷やし、圧力を下げる、以下SC)に逃す為の弁です。しかしこのSR弁が、上の容器側の空気圧が強すぎて、開けられなかった(想定外?)。そのため、格納容器の気圧が上昇し、かつベントをする配管も(おそらく地震で)壊れていたようで、ベントも出来ず、3月15日朝6時にSCが損傷して、爆発音がして、大量の放射能が漏れた、と説明していた。
ところが、24日の同じNHKのニュースでは、同じSR弁が、3月14日から15日にかけて、3回開いて(午後8時から午前2時頃)、その度に南側に放射能が大量に漏れている事実が確認されたそうです。同じNHKで同じ頃にSR弁が開いたり開かなかったり違った報道がなされている。なんででしょう。
2 放射能漏れの事実
 大量の放射性物質が事故で2号機から放出されたのは15日の午前7~同11時と、午後1~3時の2回。特に午後の2回目の放出では放射性雲が、西から次第に北西方向へ流れた。県内各地で線量が上昇。夕方には飯舘村(原発から北西約39キロ)、福島市(同約63キロ)でも上がったのは有名な話ですが。
 SR弁が一部開くようになっても、爆発は避けられなかったということも出来ましょうか、それでもかみ合わない報道ですよね。
3 いずれにしてもmark1の以下の欠陥は明白
、SR弁は、圧力容器内の圧力が高まれば機能しない。
 開いても、放射能が漏れ出すことがある。
後のニュースでは、SCの水がもう沸騰していて冷却機能を喪失していた。そのため、圧力容器の圧力が下がらなかった。そのため圧力容器が膨張するなどして、接合部分に隙間が出来て、そこから放射能が漏れた。ということでした。
 双方の報道の元となった学者グループは同じ人たちのようなので、そのうちちゃんと説明してもらえると思いますが。
4 私なりの解説
でも、私が勝手に考えると、まず「冷却が出来ず圧力容器の圧力が高くなった」→「SR弁が開かない」(以上NHKスペ)「放射能が漏れて、圧力が下がった??(想像)」その後、「SR弁が開いたが、SCが機能しなかったので放射能が漏れた」(以上ニュース
)、そして、「15日朝にSCが壊れた」(事実)。以上により早朝には南(関東)へ大量に漏れ、午後には北西(飯舘、福島)の方向に漏れた、ということになりますね。
もっとも、これなら相当長期間にわたって大量に漏れ続けたことになりますね。1号炉、3号炉は、それぞれ、一瞬の建屋の爆発で、しかも海側に放射能が流れてくれた。格納容器自体からの漏れは少なかった。
しかし、2号炉は、それこそ圧力容器、格納容器そのものから放射能がジャじゃ漏れとって、容器の爆発に比すべき汚染被害が、直接地上に生じたということになるのでしょうか?
 4 事故・欠陥は建設当時から指摘されていたとおりになった。
ところで、もともとこのmark1というのは、GEの技術者のブライデンボウ氏ら3名により1980年頃から以下の通り欠陥が指摘されてます。以下発言は「格納容器の容量が小さすぎて、電源を喪失して炉心を冷却できなくなった場合、あっという間に容器の圧力がパンパンになり、爆発を起こす危険性があることが分かった。すぐにマークⅠの創業を停止して廃炉にすべきだと会社(GE)に嘆願したが、「そんなことをしたら、わが社の原子炉部門だけでなく、会社の存続に関わる」と聞き入れられなかったそうです。
そうそう、1992年にあの安全神話の神様ラスムッセンが日本に来て保安院?で講演したときの記録があり、そこではたしか「彼らは専門家ではない」「変な宗教団体に入ってる」とかおっしゃったそうです。勿論彼らの意見は無視され、「原発事故は隕石落下の確率」との安全神話のみが信仰されることになりますが・・
 私自身も原発の専門家でも無く、宗教家でもありません(むしろ、カルト対策専門家です??)。しかし、誰が言っていたことが正しいのかは、わかります。というより、事実が示したとおりです。
廃炉するしかないですよね。

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加納 雄二 について

大阪の弁護士です。債務整理、離婚、相続、労働事件等幅広く取り組んでます。 加納雄二のホームページ
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