72.9svで事故の収束を語れるのか?

3月末に2号炉で最高72.9シーベルトの放射線量を観測したそうだ。
こんな高濃度では、人が近づけないのは勿論、ロボット等機械にだって影響が出る。
人間は20シーベルト以上を浴びると数日以内に死亡する。高放射線下では電子機器の集積回路も数十分で壊れるそうだ。
こんな状態が「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」といえるのだろうか?
また2号炉の水位が、60cmであることも明らかになった。水位は3m程度はあると見積もっていたそうだが。圧力容器に毎時9トンもの水を入れているそうだが、どこに消えたのでしょう?圧力容器、格納容器、圧力抑制プールも壊れているようだ。
そうそう、以前から建屋には、大量の地下s水が流れ込んでいるそうだ。いったいこれらもどこに消えたのか?
 以下、新潟日報の3月28日の社説から引用するが、
★東電は「(水位60センチでも)溶け落ちた燃料は水の中にある」「燃料の冷却はできている」と強調している。だが、圧力容器の底が抜けた状態での「冷温停止」は意味をなすのか。
 フランス放射線防護原子力安全研究所のジャック・ルピュサール所長は、日本政府の言い方を「事故で谷底に落ちた車を指して『エンジンは止まった』と言っているのと同じ」と酷評している(2月7日付本紙)。
 放射性物質を外に出さないよう建屋カバーが施されたのは1号機だけだ。耐震補強も遅れている。たまる汚染水の処理問題もある。
 今一度大きな地震や津波、台風に襲われたら-不安の種はつきない。国や東電は「進行している事故」にしっかりと向き合うべきだ。」引用終わり
汚染水の大量流出すら押さえられていないのに、除染だの、帰還だのを論じるのは早急というべきだ。特に近隣ないし汚染度のひどい地域では。まだどうなるかわからないのだから。保管している汚染水だって、どんどん増大する。汚染された瓦礫や土も増える。どう処理するのか。そのうち現場労働者だって、不足する。前にも述べたが、計測機器だって、正確なのか、いつまで持つのか?
 収束の見通しなんて立っていないと基本的に考えるべきだ。

加納 雄二 について

大阪の弁護士です。債務整理、離婚、相続、労働事件等幅広く取り組んでます。 加納雄二のホームページ
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