原発事故は「停止」になる見通しは立ってない。

冷温停止状態というのは精々水の温度の話だけ。原発事故の収束の見通しは立っていない。水素爆発の危険性もありうる。放射性物質が中に大量にあり、かつ圧力容器、格納容器も破損してる。
1 東電は、やっと、原子炉の内部の状況を公表した。
東電は、11月30日になって、突然原子炉内の状況を「具体的に」発表した。1号炉メルトスルー。殆どの燃料棒が溶けて、かつ圧力容器の下を突き破って格納容器の下部に落ち込んだ。格納容器は相当侵食されているようだが、突き破られてはいない様子。
2号炉や3号炉も、それほどでもないようにも見えるが、実際にはかなり容器は破損している。底部が突き抜けて、放射性物質が地下にたれ流しなる可能性も残っている。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/images/handouts_111130_07-j.pdf

 今も放射能は出続けているし、高濃度廃液の爆発の危険すらある(1957年のウラルの核惨事)のは、上記の通りだ。例えば1号炉で格納容器に拡散した燃料棒の冷却水が高濃度に汚染されていないだろうか。地震直後の4号炉の使用済み燃料棒爆発もこれが原因とも言われている。1号炉から3号炉まで、圧力容器、格納容器の中は、放射性物質の冷却、換気(通気)を行わないと常にこのような危険性があることは明らかだ。
格納容器、建屋に放射性物質は大量にたまっているのであり、内部立入など不可能かも知れない。NHKアーカイブの原発特集を見たが、スリーマイル原発では、事故後の約3年か後には格納容器に人間が入っている。ここではメルトスルーは起きていない。放射能も基本的に外部へ漏れただけ、格納容器の汚染は少なかったようだ。特に、福島の1号炉は格納容器の中にすら進入不可能ではないだろうか。
 サピオの12月7日号に、小林ひでのりが以上と同様のことを書いていた。「政府は福島原発事故はまだ全然終わっちゃいない」「政府は年内に冷温停止などと言っているが、底の抜けた圧力ようきを「冷温停止」なんかできるわけがないのに」「除染」というのも基本的にはできる訳がない」。付け加えると、福島では、1号炉は完全にメルトスルーだし、大量の放射性物質、高濃度汚染水が格納容器に溢れてる。従って「格納容器にも入れないかも」「圧力容器の補修はほぼ不可能」では?

「原発(事故)停止不能宣言」のほうが正しい「宣言」かも??

加納 雄二 について

大阪の弁護士です。債務整理、離婚、相続、労働事件等幅広く取り組んでます。 加納雄二のホームページ
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