原発裁判の報道に失望しました。大飯の行政訴訟・大阪地裁

昨日大阪地裁で、大飯原発について国が関電に「定期検査終了証」を交付したのを取り消すように求めた裁判がありました。裁判所は「終了証は定期検査が終わったと通知するもので、交付は行政処分にあたらず、取り消し請求訴訟の対象にならない」という判断をしました。やや専門的な問題ですが、これは、交付行為は事実上のものである、として検査の当否は判断の対象にしないというもの。肩すかしのような判決です。この交付が無ければ正式に原子炉の運転はできないので、いわば無車検運転のようなものです。この判断自体に問題ありです。が、私は判決後の記者会見では、この件も問題だが、大津や大阪の裁判所で、別の原発稼働差し止め裁判があり、裁判所が「断層の調査の進展を見るなんて」言って延期したこと(調査中ならまずそれを理由に止めるべき)を批判しろっとしつこく言いいました。しかし記者からは「今日の判決の説明をしろ」と本論外と言われました。それに、原発について判断したわけでも無いのに、記事では「原発を巡る初めての判決」などと紹介されました。記者さんは何に関心があるのでしょう?原発の稼働の問題でしょう?このような重要なテーマなんだから、もっと腰を据えて、情報、知識を得た記者を配備して欲しいですね。各地の原発裁判の進行状況すら記者さんは知らないようです。こんなんでは世論のリードの前提に欠けるでしょう

加納 雄二 について

大阪の弁護士です。債務整理、離婚、相続、労働事件等幅広く取り組んでます。 加納雄二のホームページ
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